2002-01-01から1年間の記事一覧
天国 皆は天国に行きたがっているようですが、一体どうしてでしょうか。 この世で善いことをすれば、死んだあとに天国にのぼれると言われています。悪いこと をすれば、地獄や餓鬼道に落ちたり、畜生や阿修羅として生まれ変わったりします。果た してどうな…
苦 仏教を一言で表すならば「苦」だと思います。 お釈迦様は生老病死の四苦に気づき出家し、悟り、そして説法も「一切皆苦」という第 一の聖諦(しょうたい・聖なる真理)から始まります。また、死ぬ直前、苦・執・滅・道 という四聖諦(ししょうたい)の理…
取り引き 不景気のなか でもお寺だけはお金に困らないと思われているのか、最近よくこん な電話をいただいています。 「ご住職様、どうですか、株の取り引き、やってみませんか 。金の相場も、面白いですよ、もうかりますよ。」 何を勘違 いしているのか、悟…
公案 禅宗では仏法の道理を「公案」で表すことがあります。ところが、この公案は問題定義の 形をとることが多いです。例えばこのような公案があります。 人が木に登って、手も足も使わず、口で枝をくわえてぶら下がり、木の下の人は、「一言 でもいいから、…
煩悩の眼鏡 安泰寺は修行道場です。一般に言われる修業ではなく、仏道修行の道場です。「仏道」の 「仏」という字は梵語で「ブッダ」といい、「覚者」という意味です。「道」は梵語の「 ボディ」にあたり、「覚智」です。ですから、安泰寺という修行道場は精…
如常 お寺の言葉でよく「如常」(にょじょう)とか「如法」(にょほう)とか言います。「如 常」・・・いつものように、いつも通り、という意味でしょうか。夜、皆が集まって一日 を振り返っているときによく「今日は如常でした」などといいますが、それはい…
私は34歳のドイツ人。この不思議な国日本に来てから,もうすでに10年間が経ったが,日本語もいまだ不自由だし,日本的な考え方・感覚にはなかなか馴染めない。私だけでなく,多くの日本人にとって特に分かりにくいのは日本の政治だと思う。権力のある立…
初めて安泰寺に上がって,師匠にあったのは12年前,台風19号で参道が流されていたあとだった。久斗山に「独坐」しているこの場所にすぐ魅せられた。そして,来たばかりの私が堂頭さんに最初に言われたのは(みながそう言われるように)「安泰寺をお前が…
花は愛惜にちり、草は棄嫌におふるのみなり。 という道元禅師の有名なことばがあります。この言葉は普段、悟り(花)を追い求めるほど悟りは遠く逃げてしまい、煩悩(草)を切り捨てようと思うほど煩悩が深くなる、という意味合いで解釈されます。私はむしろ…
安泰寺の住職、宮浦信雄堂頭は二月十四日、ブルドーザーで除雪中、つづらい橋の近くで参道から川に転落し、死亡しました。五十三歳でした。 新しい住職が決まるまで、残された弟子達等が留守番をつとめています。 堂頭さんというと笑っている姿を思い出しま…
今までの「流転」のなかで私は「流転」、「手放し」と「損=悟り」の話を延々と繰り返してきました。面白い事に、そんな話が自分の身にも降りかかってくるとは思っても見ませんでした。 大阪に来て、四ヶ月間ほぼ毎日インターネットカフェに通い、沢木老師の…
「宝くじが当たれば寄付しますので、ヨロシク!」 托鉢中、色々と言われる中で、こういう面白いセルフもたまにはあります。何割をくれるのか、わくわくしましたが、その後まとまった寄付が特になかったのは、くじがはずれたからでしょうか。 「宝くじさえ当た…
以前、「流転」を読んだ方に「流転して何になるか」と聞かれたことがあります。どういうことかといいますと、「死んだあと、私やあなたは流転して、何に生まれ変わるのか」という意味でした。輪廻転生のことを「流転」だと思われたようです。 仏教には昔から…