ネルケ無方の禅生活

弟子がバカなら、師匠もバカ

機は良材の如く、師は工匠(こうしょう)に似たり。縦(たと)え良材たりと雖も、良工を得ずんば、奇麗(きれい)未だ彰(あら)われず。縦え曲木たりと雖も、若し好手に遇わば、妙功忽(たちま)ち現ず。(学道用心集) 仏教の中にもいろいろな宗派があり、…

水増しをしても、混ぜ物はするな

かの合水の乳なりとも、乳をもちゐん時は、この乳のほかにさらに乳なからんには、これをもちゐるべし。たとひ水と合せずとも、あぶらをもちゐるべからず、うるしをもちゐるべからず、さけをもちゐるべからず。(正法眼蔵・袈裟功徳) お袈裟の作り方、つけ方…

少欲・知足

知足の人は、地上に臥すと雖も猶安楽なりと為す。不知足の者は、天堂に処すと雖も亦意に称わず。不知足の者は、富むと雖も而も貧しし。知足の人は、貧ししと雖も而も富めり。 (正法眼蔵・八大人覚) 今から十年前、二〇〇一年の夏のことです。師匠の許(も…

わたし次第、あなた次第

仏道をならふというは、自己をならふ也(なり)。自己をならふというは、自己をわするる也。(正法眼蔵・現成公案) 永平寺の後開山、道元禅師の言葉の中でももっとも有名な一節です。「仏道(ぶつどう)」とは二千五百年前に釈尊が開かれた悟りの内容です。…